一問一答Q&Aスペシャル 第3回

KSPの先輩社員があなたの疑問にお応えする「一問一答 Q&A SPECIAL」コーナー。
三回にわたってお送りしてきた「イベント警備の危機管理」も、今回が最終です。今回も常務取締役の三角栄二郎氏に「イベント終了後の危機管理~ミーティングの重要性~」というテーマで語っていただきます。
では、「イベント警備の危機管理 其の三」、お願いします。

イベント終了後の危機管理の要点について教えてください。

これまでイベント前、イベント中の危機管理について記載させていただきましたが、今回はイベント終了後の危機管理について述べさせていただきます。
イベントが無事に終了すると、達成感、充実感、安堵感に包まれます。しかし、ここで終わりではありません。すぐに解散するのではなく、終礼をおこないます。警備員を集合させ、一人一人から気づいた点、反省点などを発表してもらいます。こうすることで、情報を共有し、チームワークがさらに向上します。警備員の定着率も高くなります。そしてその内容を業務完了報告書として加えて、主催者に提出します。
危機管理とは大工と同じように特殊な技能や能力と同じで充分な知識と経験に裏付けされたものでなければなりません。ひとつひとつの経験の積み重ねが大切です。したがってイベント終了後のミーティングが次の業務の危機管理に繋がってくるのです。連載の最後にまとめとしてすべてに共通するポイントについて提案させていただきます。

業務を行う上でもっとも”心”が大切

私が業務を行う上でもっとも大切にしていることは”心”です。なぜなら、イベント警備業務は人が行う仕事だからです。
現状では日本全国のイベントにおいて、警備業務の多くは臨時的な仕事です。毎日イベントがあるわけではありません。したがって、安定した収入を得ることができないため、アルバイトなど臨時契約の非正社員がほとんどです。しかも、外での仕事が多く、花火大会、夏祭り等の大規模なイベントでの配置場所によっては、休憩所やトイレが無いこともあります。交代員がいなくて、休憩も取れずに立ちっぱなしなど警備員の労働環境は苛酷です。雨の日に、真っ暗な配置場所で立ちながら食事をしている警備員を見ることもあります。このような労働環境では定着率は下がりますし、ますます労働者が確保できない状況になってしまします。このような過酷な労働環境の臨時警備員の士気を高めるために我々責任者が警備員一人一人に”心”を向けることが大切なのです。我々、責任者は警備員を守り、士気を持続させるために、少しでも労働環境向上のために主催者との打ち合わせの段階から考慮しなければならないのです。
また勤務中、警備員は一人になりがちですので、
巡回時に一人一人に声をかける。
適宜、休憩が取れているか、食事が取れているかなど、心配りをして確認を行います。
エリア毎にチームとして勤務させることも、”心”を掴むための方法です。人は複数で協力して一つのことを成し遂げると心地良いものです。初めて勤務した警備員も次の仕事の時には仲間ができているので、また仕事をしたいと思うようになります。

経営者の意識改革が必要

現在、警備業界は改革の時期を迎えています。特に人的警備について、需要は拡大し続けていますが、警備員の供給が追いつかない状況です。警察官約28万人に対し、警備員約48万人と警備員は毎年増加傾向にあります。このような状況において、平成19年11月21日より検定資格者の配置基準が盛り込まれた新警備行法がスタートしました。この警備行法改正の理由の一つには明石市花火大会歩道橋事故の影響が介在しています。今はまだ発表されてはいませんが、イベント警備でも検定資格者配置基準が間もなく決定するはずです。そうすると、検定資格者をを確保するには費用がかかります。安価な警備料金では受注できなくなるのは当然です。将来を嘱望する若者を確保し、質の高い教育を行い、福利厚生も充実させ、社会の期待に応える警備員として育てることは12,000円や13,000円の受注金額では不可能だということを中小零細の経営者は気付かなければならないのです。低い価格競争を行っている時代ではありません。

警備員の社会的評価を高めたい

社会に必要とされながらも、警備員の社会的評価は非常に低いです。将来、子供たちが「自分の親は警備員だ」と誇りを持って友達に自慢できる職業にしたいと思います。3回にわたり、私の提案を読んでいただきありがとうございました。

(株)KSP
常務取締役 三角 栄二郎

全三回にわたってお届けした「イベント警備の危機管理」。いかがだったでしょうか?ご意見・ご感想、または「こんなテーマを取り上げて欲しい」といったご要望は、ページ下部の「お問合せフォーム」よりお気軽にお寄せ下さい。

第一回「イベント警備の危機管理とはクライシス・マネジメントである」
第二回「イベント警備の危機管理 ~士気を高める~」
第三回「イベント終了後の危機管理~ミーティングの重要性~」

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