一問一答Q&Aスペシャル

KSPの先輩社員があなたの疑問にお応えする「一問一答 Q&A SPECIAL」コーナー。
記念すべき第一回は、常務取締役の三角栄二郎氏に、「イベント警備の危機管理」というテーマについて、語って頂きます。三角栄二郎氏には今後、全三回にわたってご登場いただきますので、乞うご期待!では、「イベント警備の危機管理 其の一」、お願いします。

イベント警備の危機管理とはクライシス・マネジメントである

私は、日韓ワールドカップサッカーをはじめ、さまざまなイベント警備の現場に携わってきた経験と、 現在、立教大学大学院で危機管理学を学んでいる立場から、イベント警備の危機管理について記述させていただきます。

イベント警備の危機管理とは、ひと言でいうとどんな業務ですか? また、業務のポイントを教えてください。

クライシス・マネジメント

イベント警備の危機管理というのはクライシス・マネジメントと考えていただきたい。 リスクマネジメントではありません。最近の治安状況やテロの脅威も高まる中で、 十分な準備をしなければ、犯罪、事故、暴動などが起こり、人命が失われる可能性もあるからです。
したがって、お客様の立場で予測し、必ず何かが起こると想定し、調査し、警備計画を作ることが必要です。

イベント前の危機管理

イベント警備の危機管理は、三つのプロセスに分けることができます。 イベント前、イベント当日、イベント終了後です。 今回は、この中でもっとも重要なイベント前の準備段階について提案させて頂きます。 私の経験からすると、イベント警備が成功するか否かは準備8割、当日2割だと思います。 イベント前の準備段階では下記の3つの事項が重要です。

  1. プロとしての警備計画を遠慮せずに提案する。
  2. エリア毎に実力、経験のある隊長を選抜する。
  3. 事前に現地調査を行う。

プロとしての警備計画を遠慮せずに提案する

警備会社が9065社(平成18年度警察庁警備業の概況)あるうちの従業員50人以下中小零細企業が 約8割を占める警備業界にとって、「プロとしての警備計画を遠慮せずに提案する」というのは危機管理としての最も重要なポイントです。 立場が弱く、仕事が欲しいあまりに、言うべきことも言わずに、安価な警備料金、長く過酷な勤務時間、 配置ポスト数と隊員数が同じで、十分に休憩が取れないなど、主催者の機嫌を損ねないように業務を請け負っている会社が多々あります。
イベント警備では予期しない事態が必ず発生します。 この緊急事態に迅速に対応するには精神的にも人員数的にも『余裕』や『ゆとり』が無ければ対応できません。 予備隊員もいなければ、休憩も取れません。 疲れて志気の下がった警備員には緊急事態への対応はできないのです。
イベント警備では不測の事態にどのように臨機応変に対応したかで評価され、それが信頼に繋がります。 この失敗例が明石市花火大会歩道橋事故です。 何も事故がなくて当たり前、事故が起これば責任は警備会社に向けられます。
不測の事態に対応するためには事前準備として、しっかりと主催者に対して遠慮せずに危機管理のプロとして提案をするべきだと思います。

実力、経験のある隊長を選抜する

さまざまな緊急事態には経験豊富な警備隊長でなければ的確な判断と指令が出せません。 またイベント警備における警備員は、アルバイトなどの非正社員がほとんどです。 このような警備員をまとめ、志気を高め、的確に緊急事態に迅速に対応するには、エリア毎に優秀な警備隊長を選抜しなければならないのです。

事前に現地調査を行う

イベントは天候、時間帯、交通状況、地形、来場者の目的、内容などが常に変化しています。 毎年行っている花火大会の警備業務だからといって今年も同じだろうというわけにはいきません。
特に初めて行うイベントや、遠方のイベントなどを請け負った場合には入念に現地調査をして、それにかかる費用も算出し契約金額に含むべきです。
以上がイベント警備の危機管理におけるもっとも重要なイベント前の準備についてです。この3つのポイントを進めていけば、そのイベント警備の8割は成功しているはずです。

ということで、今回はここまで。
次回は「イベント警備の危機管理 ~志気を高める~」をお届けいたします。

第二回「イベント警備の危機管理 ~士気を高める~」
第三回「イベント終了後の危機管理~ミーティングの重要性~」

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